名称変更の背景と目的
未来を拓く半導体の創出・活用力を認定する
半導体技術者検定(旧・半導体テスト技術者検定)
様々な業界の発展を促す技術とビジネス形態が大きく変化しつつあります。人工知能(AI)やIoTを駆使した「新ビジネスの創出」、百年に一度と言われる「クルマの大変革」、「サステナブルな社会の実現」、仮想現実(VR)や高速無線ネットワークをフル活用した「メディアの進化」・・・。くらしや社会、産業に大きなイノベーションを生み出すこうした動きには、一つの共通点があります。半導体の進歩とその効果的活用を前提として、成長する未来を描いている点です。
新時代を拓く半導体を生み出し、使いこなせる人材が渇望されている
IT業界では、ベンチャー企業から巨大プラットフォーマーに至るまで、独自半導体チップを競うように開発しています。より価値の高い製品やサービスを創出するためには、競合企業が保有していない機能や性能を備える最先端の半導体チップの利用が、必要不可欠になると考えているからです。
また、自動車業界でも、より先進的な半導体チップを調達し、その潜在能力を最大限まで引き出す高度な利用技術を自社内に養うことに注力し始めています。既に、現在のクルマには1台当たり100個ものコンピューターが搭載され、自動化や電動化、コネクテッド化が進む将来には、半導体がクルマの価値の大部分を決めるようになると考えているからです。
半導体技術者の活躍の場は、半導体業界のみだと考える人が多いのではないでしょうか。ところが、いまやIT業界や自動車業界だけでなく、あらゆる産業の企業が半導体技術者を求めるようになりました。金融、小売り、物流、医療、建設、農業、そして行政など、製造業以外の企業や機関でさえ例外ではありません。世界中の様々な業界の企業が、新しい機能・性能を備える半導体チップを開発し、それを使いこなしていく知識を持つ人材の確保・育成を急いでいるのです。
一般社団法人 パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)では、2014年から、半導体に関する知識を身に着けたい方々の学習指針となる検定試験「半導体テスト技術者検定」を実施してきました。半導体チップの品質と信頼性を保証する際のテストに必要な知識を持つ人材を半導体業界で育成することを狙ったものです。ただし、品質を知るためには、テスト対象である半導体についての基礎的知識を網羅的に持っている必要があります。こうした点に着目した先駆的半導体チップの使い手たちが、半導体業界以外からも受験するようになりました。
時代と社会の要請に応えるべく、「半導体技術者検定」へと名称を変更
より広範な業界で半導体チップの開発や使いこなしに取り組む方々が、求める知識を得るきっかけを生み出すため、2019年から、検定の名称を「半導体技術者検定(SECC:Semiconductor Engineer Career Certification)」と変更することにしました。
半導体技術者検定では、合格者に、3級、2級、1級と3段階の資格を認定。「半導体技術者 エレクトロニクス〇級」という呼称の資格を付与いたします。
半導体に関する知識を持つ人材の価値は、これからますます高まっていくことでしょう。半導体技術者検定は、半導体の作り手と使い手の知識を客観的かつ公正に認定する唯一の資格です。より多くの業界・業種の方々の受験をお勧めいたします。